2017/12/02 髑髏城の七人season月下弦の月
髑髏城の七人season月〈下弦の月〉12/2マチネ
す、すごいものを見てしまった…舞台のハプニング初めて遭遇した………
◯役者
・宮野真守さん
かっこよくてすごかった。どこにすごいな、と思ったかというと、体幹。揺れないし、どっしり構えてるので、殺陣もそこまですごいわけではなかったのに、安定感があって、場に慣れてる印象。
・廣瀬智紀さん
リアコになるかと思った。鳥の蘭兵衛さんみたいな優しい感じだった…。
夢見酒後のふわふわタイム、殿の鎧の尻尾を口に含んだ…ように見えたし、恍惚とした表情で鎧をペタペタ触っていたのは、色気がすごかったですね。事後じゃん。 で、夢見酒。キッスが耽美〜て感じだったんだけど、今回の夢見酒衣装がまさかの淡いブルーだったから血糊が映えなかったのが残念。
・鈴木拡樹さん
幕開けからダンスすると思わなかったよお。第六天の話、追加要素なんだけど、これを書かないと最後が生きないもんね。すごく良かった。 キャラクター造形、嫉妬に燃える天魔王って感じかな?殿を看取ったのも天魔王。「そんなのは殿ではない」。鎧は天守閣にのこのこ入り込んで手に入れてた。
で、今日、ハプニングあったんですよ。捨之介に鎧を剥がされるシーンで、鎧を剥ぐ瞬間にカツラも一緒に飛んでしまった。次の瞬間、自らウィッグネットを剥ぎ取って、短髪の彼が板の上に。でもね、ここ、演出かと思ったの。何もかも剥ぎ取られてしまって、人間の姿に堕ちた天魔王。地を這う奸賊どもになってしまったと、思った。でもどうやら様子がおかしいし、左手にはマイク握ってるしで、あ、これ、ハプニングだと。右手に刀、左手マイク。セリフをしゃべるときは左手に言う。でもマイクはノイズが入りまくるし、正直声が届かない場面もあった。そんな中、最後の最後まで天魔王、人の男たらんとしている。ハラハラしてたけど役者さんが堂々としてくれたから安心感はあったのよね。
・木村了さん
よかった。すごいぴょんぴょん飛んでた。横蹴り大好き。「旋風芋掘り剣」はずるい!笑 し、そこでもすごい動いてた。あと荒武者隊の仲間が死んじゃった時の演技の感じが好き。
◯脚本
まだこんな底力があったの?!って感じ。大胆な脚色と言っても過言じゃないと思います…
「秀吉よりも先に天魔王をとめる。それが、この街を護る最後の手だ。」
「殺すんじゃねえ、とめるんだ。」
今回のテーマは殺さずに、止める。地の男は、天から降る涙雨を受け止めるのが役割、というのはseason風でも描かれてたけど、今回のキーアイテムの「傘」により、それがさらに強調された、懐の深い捨之介が描かれてました。
「たとえ血まみれの手だって、洗えば落ちる。」
太夫のこのセリフを聞いたときにハッとしたのは、天魔王の手に赤い血糊がずーっとついてるからなんですよね。天に成り代わろうとして数多もの血を流させた天魔王。対して、まっさらな手をした無界屋一行。けれど、蘭兵衛は独白でこう続ける。
「俺の三途の川は血まみれなんだ。洗えば洗うほど真っ赤に染まる。一度、流しきるしかないんだよ。」
そう。太夫が詮索しなかった蘭兵衛の過去。森蘭丸として、織田信長のもと血を血で洗ってきた過去。だから、無界屋の主として、関東髑髏党に単身乗り込む。信長公の名を語る天魔王をとめて、この街、仲間を護るため。太夫たちの三途の川を、血まみれにさせはしない。今までの脚本で、あんまり腑に落ちてなかった部分が、ここ。なぜ蘭兵衛が単身髑髏城に乗り込むのか。なんで知らぬ顔の蘭兵衛を決め込めなかったのか。そこが、ついにストンと腑に落ちた。(というか今までここ飲み込めなくて蘭兵衛好きとかいってたんかいって感じなんですけどね)
下弦すごかったな〜上弦もたのしみ
(2019年ログ整理による追記:ちなみにこのあとライビュも含め2回見ました。下弦はどっしりしていて見ていて安定感がありましたね。)